
ボトックスに使用されるボツリヌス菌は、ボツリヌス中毒を引き起こす可能性のある、強力な菌類です。この、ボツリヌス中毒は、古代ギリシャ時代からソーセージを食べると発生する事のある、特異な中毒として知られていました。ボツリヌス菌は7種類もあり、それぞれA~G型までの型で区別され、どの型も強力な神経毒素があることが知られています。
ちなみに、ボトックスに使用されている、ボツリヌス菌はA型です。ボツリヌス菌は、食品とともに体内に摂取されると、小腸でボツリヌス菌の毒素が吸収されて、血液中に侵入して神経麻痺症状を現します 。
ボツリヌス中毒の潜伏時間は、8~36時間とされており、初期症状としては一般的な食中毒の下痢や腹痛、また嘔吐といった症状が現れます。徐々に、ボツリヌス毒素による神経麻痺が症状として現れはじめ、めまいや頭痛を伴う全身の症状から、目がかすんだり、物が二重に見えるなどの視覚的症状で、発語障害、嚥下障害などの咽の麻痺症状も現れてきます。
ボツリヌス中毒の食中毒は、極めて危険な食中毒で死亡率が高く、検査や診断は迅速に行われる事が求められます。ボツリヌス中毒の特異的な療法は、抗毒素の投与する事です。
ボツリヌス中毒は、自家製食品を食す事で発生しやすく、食品の衛生状態の確保が求められています。日本では、1984年に同じ辛子レンコンを食べた36人が、レンコンについていた菌によってボツリヌス中毒になり、11人もの死者が出た事件がありました。
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